JCraftのWiredXは、米ハネウェル社(Honeywell International, Inc.、NYSE:HON、以下 Honeywell)のアビオニクス装置(*3)である「Crew Information System/Maintenance System」(以下 CIS/MS)に組み込まれ、すべての787 Dreamliner に搭載されることになります。
CIS/MS は、乗務員に航空機の状態に関する情報を提供するシステムです。Honeywellは、現行のボーイング777に対してもCIS/MS を提供しており、引き続き787 Dreamlinerへも提供することになりました。このCIS/MSでは、GUIをX Window Systemによって実現しており、WiredXはそのためのXサーバソフトウェアとして採用されました。
ボーイング777に搭載されている従来のシステムでは、高価な専用ハードウェアを利用するXサーバソフトウェアが用いられていましたが、787 Dreamlinerでは、WiredXを採用することにより、一般的なラップトップPCからCIS/MSにアクセスできるようになりました。
JCraftの代表取締役社長である山中淳彦は以下のようにコメントしています。「ハネウェル社と仕事ができたことに大変興奮しております。そして、ハネウェル社のCIS/MSの利便性を高めることに貢献できたこと、また次世代航空機ボーイング787に搭載されることを誇りに思います」。
*1 100% Pure Java:プログラムがJava言語だけを用いて作られていること。
*2 Xサーバ:Linuxなどで一般的なウィンドウシステム「X Window System」において、画面表示を行うためのプログラム。
*3 アビオニクス装置:航空機に搭載される電子機器の総称。
JCraftは、Javaアプリケーションに特化した独立系ソフトウェア開発企業です。WiredX以外の主な成果には、「JSch」(SSH2の100% Pure Java実装)、「JZlib」(zlibの100% Pure Java実装)などがあります。創業は1998年で、本社は宮城県仙台市にあります。
WiredXについて:
WiredXは、JCraftによって一から設計、開発されたXサーバソフトウェアです。これを用いることで、Javaが動作する環境であればどこでもX Window Systemを利用できるようになります。すでに、米シエナ社(Ciena Co、NASDAQ: CIEN)へのライセンス実績があります。