報道発表資料
2009年6月18日
株式会社ジェイクラフト


ジェイクラフトのXサーバ、次世代航空機ボーイング787へ搭載

 株式会社ジェイクラフト(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:山中淳彦、以下JCraft)は本日、自社開発した100% Pure Java(*1)のXサーバソフトウェア(*2)「WiredX」(ワイアード・エックス)が、米ボーイング社(Boeing Co.、NYSE:BA)の次世代航空機「ボーイング787ドリームライナー」(以下、787 Dreamliner)に搭載されることを発表しました。

 JCraftのWiredXは、米ハネウェル社(Honeywell International, Inc.、NYSE:HON、以下 Honeywell)のアビオニクス装置(*3)である「Crew Information System/Maintenance System」(以下 CIS/MS)に組み込まれ、すべての787 Dreamliner に搭載されることになります。

 CIS/MS は、乗務員に航空機の状態に関する情報を提供するシステムです。Honeywellは、現行のボーイング777に対してもCIS/MS を提供しており、引き続き787 Dreamlinerへも提供することになりました。このCIS/MSでは、GUIをX Window Systemによって実現しており、WiredXはそのためのXサーバソフトウェアとして採用されました。

 ボーイング777に搭載されている従来のシステムでは、高価な専用ハードウェアを利用するXサーバソフトウェアが用いられていましたが、787 Dreamlinerでは、WiredXを採用することにより、一般的なラップトップPCからCIS/MSにアクセスできるようになりました。

 JCraftの代表取締役社長である山中淳彦は以下のようにコメントしています。「ハネウェル社と仕事ができたことに大変興奮しております。そして、ハネウェル社のCIS/MSの利便性を高めることに貢献できたこと、また次世代航空機ボーイング787に搭載されることを誇りに思います」。


*1 100% Pure Java:プログラムがJava言語だけを用いて作られていること。
*2 Xサーバ:Linuxなどで一般的なウィンドウシステム「X Window System」において、画面表示を行うためのプログラム。
*3 アビオニクス装置:航空機に搭載される電子機器の総称。


JCraft(http://www.jcraft.com/)について:
 JCraftは、Javaアプリケーションに特化した独立系ソフトウェア開発企業です。WiredX以外の主な成果には、「JSch」(SSH2の100% Pure Java実装)、「JZlib」(zlibの100% Pure Java実装)などがあります。創業は1998年で、本社は宮城県仙台市にあります。

WiredXについて:
 WiredXは、JCraftによって一から設計、開発されたXサーバソフトウェアです。これを用いることで、Javaが動作する環境であればどこでもX Window Systemを利用できるようになります。すでに、米シエナ社(Ciena Co、NASDAQ: CIEN)へのライセンス実績があります。

ボーイング787Dreamlinerについて:
 787 Dreamlinerは、ボーイング社の次世代主力旅客機です。燃費性能や航続距離、快適性などを追求し、あえて中型旅客機として開発されました。同クラスの航空機と比べ燃費効率が20%向上し、貨物搭載スペースも最大45%増加しています。全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)を始め、すでに世界の航空会社から受注契約が結ばれています。初号機のデリバリーは、2010年第1四半期に予定されています。ボーイング社のWebサイトでは、報道用の画像が提供されています(規約を了承の上で利用可能)。http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=4882&aContent=報道用画像


報道関係者お問い合わせ
株式会社ジェイクラフト Tel: 022-723-2150, pr@jcraft.com
担当 山中